米国では新聞社の買収劇や印刷媒体をやめてデジタル媒体に特化するなどの動きがここ数年目立った。大激動、大変革の真っ只中とも表現できる状況だ。デジタル革命にどう対応するかは経済的に生き残るための死活問題であるとはいえ、それだけではないもっと本質的な問題があることを最近日本で封切られた映画で再確認した▼スティーブン・スピルバーグ監督の「ペンタゴン・ペーパーズ」。新聞業界の一隅に身を置く者として、この映画から受けた衝撃は大きすぎるほどだった。メリル・ストリープとトム・ハンクスふたりの名優の演技が心に残るのはもちろんだが、やはり印象深いのは、報道の自由を守るために権力と戦った新聞人の信念の強さ、志の尊さである▼映画の中では「報道の自由を守るのは報道しかない」「新聞記事は歴史の最初の草稿」「新聞が向いているのは政府ではない、国民」など名文句がいくつも出てくる。映画だから陳腐なセリフは出てこなくて当然であり、現実にそのようにセリフが発せられたかどうかはなんともいえないだろう。と分かってはいても、この名言には心揺さぶられる▼わが国でもいま、報道の自由が問題視される社会的事象が次から次と生まれている。「原点は何か?」常にこの問いを発し続けるべきことを教えられた。(18・4・4)

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