中国、いや世界でみても最大規模のネット商取引を行う力と顧客基盤を有しているアリババグループ。今年も11月11日、同グループによるネットショッピングイベント「独身の日」が行われた。開始から24時間で2135億人民元(約3・5兆円)の取引総額に到達。世界最大のネット商取引イベントとして、その地位は一段と強固なものになったと言える。
 日本で行われているネット商取引では、最大手の楽天が年間で約3・4兆円の取扱総額と言われている。アリババは、これを1日で達成した。年間のアリババの取引総額だけで日本の数倍以上ともいわれる。「独身の日」の3兆円超えは、もう日本が太刀打ちできないレベルといえるだろう。
 今年の「独身の日」における取引総額は昨年の1682億人民元(約2・8兆円)から約27%増となり、イベントがスタートした同日の午前0時から、わずか2分少々で100億元(約1640億円)の取引があったという。
 またネット上での割引イベントのほか、テレビ放送と連動する新たなキャンペーンも展開された。テレビ放送との連動は、午前0時前から売れ筋製品の企業広告をワイプで画面に出しつつ、司会者が製品の特徴や良さなどを口調巧みに紹介するという斬新なやり方だった。ネットと見事に結びつけた販促番組の構成に舌を巻いた。
 一方、「独身の日」イベントの快挙の裏方といえるのが、日本のさまざまな消費者向け製品だ。国別の取引総額ランキングでは、日本製品が米国やドイツなどを引き離して3年連続で1位を獲得した。中国のミドルレンジに属する人々の、日本製品に対する信頼度合いと購入意欲の高さを、改めてうかがい知る結果になった。
 さらに売買された製品のブランド別取引総額のトップテンを見てみると日本製品が2位、3位にランクインした。2位がユニ・チャームの「ムーニー」、3位が「花王」である。化粧品や日用品、食品など主要なジャンルで、いまだ日本製品が高い人気を持ち、その市場が確実に広がっている。そのことが証明されたと言ってよいだろう。
 日本の一部報道では「独身の日」の実績に関して「昨年よりも取引総額伸び率は鈍化」(昨年は約39%増)といった見出しで、ネガティブな部分を強調する向きもあった。ただ日本の製品が「独身の日」イベントの売れ筋であることは事実。これを素直に伝えているメディアは案外少ない。偏向した情報に惑わされず、フラットな目線で中国市場を見る必要がある。

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