台湾の医療機器業界がイノベーションで世界を先導している。日本をはじめとする先進国市場は「GPS」と呼ばれる米GEと蘭フィリップス、それに独シーメンスが寡占しているが、デジタル化では台湾が先行する。背景にあるのは半導体やパソコンの受託生産で培ったエレクトロニクス技術と、グーグルやアマゾンなど米ICT大手(GAFA)が揃って拠点を構えるグローバルな開発力。それに利便性と効率を追求する文化が相まってユニークなソリューションが生まれている。外科手術の信頼性と効率を高めるために3次元仮想現実(3DVR)のシステムを携帯電話会社が開発、医師が立体画像をみながら手術プランを練るなど実効が表れている。モノのインターネット(IoT)を駆使したスマート病院も生まれており、薬剤投与時間や診察データを携帯情報端末で見える化することで患者誤認を防いでいる。こうしたノウハウを活かしてアジアの医師や医学生を招いてのメディカルトレーニングを産業化しており、「ベトナムやミャンマー、インドネシアなどからの医療ツアーが活況」(台湾貿易センター)という。畑違いの工作機械やコンピューター大手の体外診断薬・機器(IVD)分野への参入も目立ち、年率数十%の売上増と絶好調だ。患者の身近で生体情報収集や検査などを行うPOC(ポイント・オブ・ケア)関連機器の開発も活発で、がん検査や女性の健康情報を手軽にスマートフォンで計測・管理できる製品が販売されている。日本市場の開拓も狙うが、「デジタル化に消極的、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査がどこよりも厳しく参入障壁になっている」と口を揃える。続きは本紙で

 

タブレットに集約されるデータを説明するスマート病院の看護師

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