政府は、来年7月1日からレジ袋の有料化を義務づける方針を固めた。省令改正へ向けて、12月6日までパブリックコメントを受け付けている。厚手のものや、バイオマスプラスチック製あるいは海洋生分解性のものは対象外とした。立憲民主党は今月20日、牧原秀樹経産副大臣に例外なく一律有料化することを求める要望書を手渡した。
 レジ袋の有料化義務化は5月末に策定されたプラスチック資源循環戦略で掲げられた。実施時期は明確にされていなかったが、6月のG20エネルギー・環境大臣会合の場で、当時の世耕弘成経産大臣が各国の首脳の前で来年4月1日から実施する方針を示したことで、具体化が急がれることになった。
 レジ袋を有料化しているスーパーマーケットは珍しくない。しかし全国一律となると課題は多い。例えばコンビニエンスストアには現状、購入者自らがマイバッグに詰めるためのスペースがない。レジ袋はいらないという客に、おでんなど熱い食べ物を提供すれば、他の客とぶつかって事故になる心配もある。すべて有料化するには対策の検討から始めることになり、到底4月の実施に間に合わない。
 実施を急ぐ政府は、例外を認めたうえで、現在あるレジ袋の在庫消化や新たなレジ袋の調達ルートの確保、またシステム変更などのための準備期間を考慮して、当初4月としていた開始時期を7月に先送りした案を国民に示した。
 7月まで1年もない。コンビニエンスストアは取りあえず、例外とされたレジ袋を無料で配布するほかないだろう。受け取った客は、そのレジ袋が、プラ問題の解決につながる「バイオマスプラスチック・紙等の再生可能資源を用いた買物袋」「リユースバッグ等繰り返し使用される買物袋」「海洋生分解機能が適切に発揮される買物袋」であることを、どれだけ意識するだろうか。例外規定が消費者のライフスタイルの変革という目的と合致しない、とする立憲民主党の指摘は正しいといわざるを得ない。
 ただ今は、まず始めることを優先すべきではないだろうか。政府案のまま実施に移したとして、プラスチックごみ問題への取り組みが後退するわけではない。レジ袋の有料化義務化は検討段階から国民の注目を集めており、すでに意識改革を促す一歩を記したといってもいい。実際、内閣府が8月に行った世論調査では、プラスチックごみ問題への「関心がある」との回答は9割にも上っている。後から改善することはできる。完全な制度ができるまで行動しない、という理由はない。

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