トラック隊列走行の実現に向けたインフラ面の整備が進んでいる。国土交通省はこのほど、有識者検討会で策定した「新しい物流システムに対応した高速道路インフラの活用の方向性中間とりまとめ」を公表した。後続車無人隊列走行の商業化までの対策として本線合流部での安全対策・隊列形成・分離スペースの確保・運行管理のあり方など、また普及時には独立した専用レーン化・専用の走行空間に直結する物流拠点の整備、隊列車運行管理システムの導入などの必要性が示された。
 安全性や運行効率の向上に寄与し、ドライバーの雇用環境改善につながるトラック隊列走行システムは、物流のあり方を大きく変える可能性がある。国交省は中間とりまとめの取り組み具体化に向けて検討を進めるとしており、関係省庁が一体となり、中長期的な視野で効果的な進めることを期待したい。
 日本の高速道路は現在、全体計画約1万4000キロメートルの高規格幹線道路網のうち、約85%にあたる1万1924キロメートルが開通している。人口減少に歯止めがかからないなかで、社会の生産性を向上させ、持続的な経済成長や国際競争力の強化を図るためにも、高速道路を効率的に活用することは極めて重要だ。
 一方で物流業界では、長時間労働などを背景にドライバー不足が顕著。今後、働き方改革を進めながら物流サービスを維持していくためには、輸送効率の改善などによる労働生産性向上をはじめとした改革を進めていかなければならない。
 将来的に1人のドライバーで複数のトラックを運行する高速道路での隊列走行については、2018年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」で「早ければ22年の商業化を目指し、18年度に後続無人システムの公道実証を開始し、実証実験での成果やダブル連結トラックの実験の現状も踏まえ、19年10月までに運用ルールや他の走行車両への影響軽減の観点も含めてインフラ面などの事業環境の検討を行う」とされている。18年1月には新東名高速道路などで実証実験がスタートした。
 こうしたなか国交省では、高速道路でのトラック隊列走行の実現に向けて安全で円滑な走行空間の確保、トラックの休憩スペースや物流の結節点となる隊列形成・分離拠点などのインフラ面での事業環境整備について検討会を立ち上げ、18年12月から議論を重ねてきた。今回のとりまとめは、新しい物流システムに対応した高速道路インフラ活用の方向性についての提言となる。車両開発や運用ルール、ビジネスモデルについての検討も進めていくべきだろう。

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