政府は庁舎など国の関連施設で営業する食堂で使い捨てプラスチック製品の使用を原則禁止する。会議などで飲料物を提供する場合も繰り返し利用したり返却・回収したりできる容器の使用を求める。一部省庁ではPETボトルで提供していた飲料をコップや紙製容器などに切り替えるなど先行して対応している。国が先頭に立って廃プラ排出抑制を促す考えで、地方公共団体や産業界、国民にも同様の取り組みを広げたいという。
 国や独立行政法人などの調達方針の基準である「グリーン購入法」の基本方針に盛り込むことを8日、閣議決定した。使い捨てプラ製品の使用を抑制すると同時に、庁舎内のコンビニなど小売店での植物由来プラスチックの利用も促す。グリーン購入法は国以外への法的拘束力はないが、地方公共団体には努力義務、国民には一般的な責務として環境負荷の低い製品の選択を求めている。
 外食産業でのストローの提供取りやめをはじめ、使い捨てプラ製品の使用を減らす動きは急速に拡大している。PETボトルの持ち込みを禁止するイベントも目にするようになった。使い捨てプラ製品の過剰な使用を控えることは大事だが、使い捨てだからダメという論調があることには不安を感じる。
 例えばPETボトル。単一素材で分別も容易なPETボトルは、さまざまな材料に再資源化されており、使用ずみのPETボトルを新しいPETボトルへと戻す「BtoBリサイクル」が注目を浴びたことは記憶に新しい。分別・回収に対する消費者の意識も高く、リサイクルの優等生と言われるPETボトルを単純に「使い捨てプラ」と言い切って良いのかは疑問だ。
 リサイクルは、さまざまな主体が協力し合わないと成功しない。とくに消費者の意識は重要だ。どんなに素晴らしい再資源化技術であっても、回収などがうまくいかずに撤退を余儀なくされたリサイクル事業はいくつもある。今回の措置でPETボトルリサイクルが減退するとは思わないが、単に使い捨て製品は禁止では今後、PETボトルやトレーに続く優良なリサイクル技術および仕組みは育っていかないのではないだろうか。
 廃プラの水素エネルギー化やエタノール化など、材料リサイクル以外でも注目される取り組みが進んでいる。「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」や「プラスチック・スマート」フォーラムなど、廃プラ削減の全国的組織も本格的に動き出した。使い捨てプラ製品をどうやったら減らしていけるのか、より広い視点で議論が深化することを期待したい。

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