さまざまなシーンで使われ、種類も多いプラスチック製品の劣化や寿命を、どう予測するのか-。化学評価研究機構(JCII)が研究会を立ち上げることを決めた。再生プラスチックの耐候性など、劣化や寿命予測に関する基本的なデータを集めるため、いろいろな試験を行ってきたJCIIが事務局となって会を運営。製品が抱える課題ごとにワーキンググループ(WG)を作り、産学官連携で課題解決に取り組んでいくという。今年秋に設立される予定だ。
 研究会の名称は「劣化・寿命予測研究会」。製品開発や品質管理で課題を抱える企業と、試験データや評価技術など解決策を持つ研究機関・試験機関を橋渡しすることで、劣化の進行や機構を解明し、試験方法や評価方法の確立を目指す。7月上旬に大阪、東京で設立趣意説明会を開き、現在会員の募集を行っている。
 設立の背景には、劣化・寿命予測に対しての共通の問題認識がある。劣化の要因はさまざまで課題も幅広いが、光・熱による劣化に関する課題が多く、共通テーマとしてグループ化することが可能なことがアンケート調査などで分かった。事業者が個別に劣化・寿命予測を行うのは負担が大きく、装置やデータの収集、解析技術など課題も多いことから、共通で対応するプラットフォームとして研究会の設立を決めた。
 プラスチックが劣化すると、外観・形態の変化、強度や伸びなどの物性の低下、化学構造の変化など、さまざまな現象が起きる。製品の使用環境などに応じて適切な評価項目を選ぶ必要があるが、基本的には、ひび割れやチョーキングなど外観の変化を測定し、そのうえで化学構造や物性の変化をみれば評価できる。生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチック(MP)の発生も、まずひび割れが生じる現象をきちんと理解することが必要という。
 産業界が求めるプラ製品の劣化・寿命予測の指標になる評価方法を考案することが研究会の目的である。共通テーマのなかで生まれてきた成果は、公的機関としてJCIIが外部に発表していく。研究会で開発された評価法は企業の個別企業の課題の解決だけでなく、MPなど社会的な課題を解決するための基盤技術ともなり得る。
 研究会では個々の勉強会・WGを作りながら課題を検討していく。WGに入らなければならないわけではない-そうだが、より多くの企業が課題を持ち寄ることで、プラ業界が抱える課題解決に向けた評価技術の幅も広がるだろう。多数の参加を期待したい。

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