超高齢社会となり医療費の削減が求められるなか、自身で健康を管理するセルフメディケーションを意識する人が増えている。その助けとなるのが健康食品や機能性表示食品。その需要は拡大傾向にあり、最近では消費者の意識の高まりを反映してエビデンス(科学的根拠)が重視されるようになっている。
 健康食品の伸長にともない、健康食品メーカーに加え医薬品メーカーが自社ブランドを生かした製品展開を始めている。近年は両者が販売する健康食品の製造を化学品商社が担うケースもある。とくに医薬品メーカーの場合、自社の医薬品製造設備で健康食品を製造するとコストがかさむことから、化学品商社が顧客が望む原材料を世界中から調達し、自社の協力工場で川下製品を製造、健康食品・医薬品メーカーに供給するという取り組みもある。
 例えばCBCはセルフメディケーション関連製品について川下展開を拡大しており、2018年には国内の大手医薬品メーカーが発売したサプリメントについて、同社が原料調達から製造までを担当した。今後は他の企業との連携も進める考えで、各社が強化している付加価値の高いサプリなどの原料調達・製造を担っていくという。
 また長瀬産業は、NAGASEグループで機能性食品素材の開発・製造機能を有する林原やナガセケムテックスと連携し、国内外の健康食品メーカーなどを対象として、血流を改善する働きを持つヘスペリジンや、血糖上昇を抑制する「ファイバリクサ」、認知機能の維持に貢献するホスファチジルセリンなどを提案・販売している。
 このような動きを裏付けるかのように健康食品の受託製造も増加傾向にある。矢野経済研究所の調査によると、19年度の国内における健康食品の受託製造市場規模は、前年度比1・0%増の1617億円となると予測している。18年度はインバウンド需要および中国、東南アジアを中心とする地域への輸出拡大などによる海外需要の好調、および国内での機能性表示食品の受託製造拡大が市場成長に寄与したとみている。19年度については懸念材料がありながらも、中国や東南アジアにおける健康意識の高まりからサプリメントの需要が拡大すると見込む。なかでも高品質品として人気が高い日本製健康食品の需要が高まると予測している。
 近年、化学品商社は仲介ビジネスからの脱却を目的として、さまざまな施策を打ち出している。健康食品を巡るこのような商社の取り組みは、メーカー機能の一翼を担う新たな動きとして注目される。

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