アジア最大級の分析・科学機器専門展示会「JASIS(ジャシス)2019」が9月4~6日、幕張メッセで開かれる。分析機器は、あらゆる産業分野の研究開発や、品質管理に欠かせない装置。第5世代通信(5G)、電気自動車(EV)、ファインケミカル素材、バイオ医薬品など先端分野の材料開発競争が激化、分析機器も高機能化が求められるなか、最新技術の披露を期待したい。
 日本分析機器工業会(JAIMA)と日本科学機器協会(JSIA)の共催によるJASISは、前身の日本科学機器展から数えて、実に半世紀以上の歴史を持つ。最先端の分析機器・装置、科学技術・機器の展示に加え、研究者に対するシステムとソリューションを発信する場として定着している。
 来場者は産業全分野におよび石油・石油化学、インキ・塗料・農薬・樹脂など化学品、繊維、紙・パルプ、製薬・試薬・化粧品、食品、ガス・エネルギー、半導体、電子材料など幅広い。
 素材産業である化学業界は、ユーザーの自動車、家電、情報電子機器、産業機械、日用品・トイレタリー、食品業界から、徹底した品質管理が求められ、分析業務の重要性は高い。
 大口ユーザーである自動車産業では近年、国内より海外生産の台数が圧倒的に増え、グローバル規模で品質管理の重要度が増す傾向にある。世界の消費者にとって「メイド・イン・ジャパン」はブランドであり、その期待に応えることが現場技術者にとってモチベーションになっている。
 ただ日本では、研究開発部門の技術者が「花形」と認識される一方、品質管理部門は研究開発ほど重視されてこなかった。近年は製造業のサプライチェーンが世界規模で拡大するなか、もっと「企業では品質管理部門が重要な部署である」と認識すべきではないか。そういったトレンドを肌で知るにもJASISは最適な場と言える。
 JASIS最大の魅力は、出展ブース見学に加え、その企業による最新情報を満載した新技術説明会の件数・内容が充実していること。好評の企画として今回、約330テーマを予定しており、来場者を引き付ける原動力と言える。内容を見ると質量分析装置、表面分析装置、X線応用装置、光分析装置、熱分析装置といった製品が多い。
 関東・甲信越からの来場が7割以上を占めることを受け、今年2月に「JASIS関西」が初めて開催された。またバーチャル展示会「JASIS WebExpo2019」が7月に配信開始。会場に足を運べない人も有効活用してほしい。

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