経済産業省・国土交通省合同の燃費規制に関する審議会が、乗用車の新たな燃費基準値をまとめた。2030年度を目標年度に、16年度比32・4%改善の25・4キロメートル/リットルの達成を目指すもの。これまでのガソリン自動車、ディーゼル自動車、LPG自動車に加え、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車を対象に追加。これにより燃料1リットル当たりの走行距離をキロメートルで表した燃費値の算定方法は、ガソリンや電力などが車両に供給される前の製造過程におけるエネルギー消費も含めて評価する「Well to Wheel」方式に移行する。
 日本ではエネルギー消費ベースで自動車全体の56・0%を占める乗用車について、トップランナー制度に基づき10年度、15年度、20年度を目標年度とする燃費基準を策定し、省エネおよびCO2排出削減を推進してきた。17年度の乗用車の国内新車販売台数は約439万台、保有台数は約6180万台。最終エネルギー消費に占める割合は約11・3%で、そのCO2排出量は排出量全体の約8・5%に達する。
 新燃費基準は、17年度に国内で販売された車両全体の加重調和平均燃費が、すでに20年度を目標年度とする現行燃費基準を上回っていることに対応するもの。第5次エネルギー基本計画でも、さらなる省エネ化に向けた次期乗用車燃費基準の策定と自動車単体の対策を進めることが謳われており、昨年3月から検討が進められてきた。
 基準策定に当たって、30年の新車販売台数に占める割合として電気自動車およびプラグインハイブリッド自動車を20%、クリーンディーゼル自動車を5%と設定した。達成判定は企業別の平均燃費で行うため、想定した普及台数に達する保証はないが、前提としている以上、基準達成に向け、これら次世代環境車の比率が増加していくことは確実だろう。
 また製造業者などのヒアリングに基づく平均的な燃費改善率の見積もりでは、燃焼性向上をはじめ駆動系・動弁系の改良など、いずれも効果がコンマ数%から数%程度の多岐にわたる取り組みを想定する。軽量化の取り組みについても燃費改善率を2・4%と見積もっており、基準達成に向けては小さな改善を着実に積み上げていくことが求められる。
 経済産業・国土交通両省は、審議会の取りまとめを踏まえて年度内をめどに必要な法令改正などを行う方針。今後、材料・部品メーカーにとっては想定される多岐にわたる開発課題に対し、保有する技術・製品の提案力が問われてくる。

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