欧州の化学企業が業績の悪化に苦しんでいる。2019年第2四半期(4~6月期)は、多くの企業が減収減益になった。18年下期から業績の減退期に入った各社にとって、一段と困難な環境に直面している。
 7月25日に業績発表したBASFのマーティン・ブルーダーミュラー会長は「現在は非常に不確実な要素が多く、見通しも悪いため予測が立てられない。それが第2四半期の業績にはっきりと反映されている」と厳しい状況を表した。売上高は前年同期比4%減の151億5800万ユーロにとどまり、EBITDA(金利・税・減価償却費計上前利益)は同39%減の16億2600万ユーロに落ち込んでいる。
 事業分野では、ウレタン原料やエンジニアリングプラスチックの不振が目立った。イソシアネートやポリアミドなどで構成されるマテリアル事業の売上高は同16%、特別項目控除前のEBITDAは同45%、それぞれ減っている。
 コベストロも、ウレタン原料とエンプラの不振の影響を受けた。ポリウレタン事業は販売量が0・7%増えたものの、売上高が同24・3%、EBITDAが同70・5%減少。ポリカーボネート事業も販売量が4・4%増えたにもかかわらず、売上高が15%、EBITDAが46%前年同期を下回った。いずれも市況低迷が背景になった。
 製品の仕向け先では自動車の減退が目立っている。年初予想に反し、19年上期の世界の生産は6%減った-とBASFが指摘したように、自動車産業が各社業績に影響を与えた。エンプラの不振は、その一つ。アルケマは、ポリアミドや接着剤などで構成されるハイパフォーマンスマテリアルズ事業の販売量が8%減少。ランクセスは、エンジニアリングマテリアルズおよびスペシャリティアディティブス部門の販売量が減少。ともに収益の悪化の理由になった。
 ネガティブな数字が目立つが「われわれは困難な状況でも、戦略的な成長イニシアチブを迅速かつ徹底的に、そして厳密に実行していく」(BASF)、「世界的な政治経済の不確実性が解消されないため、経済状況はいぜんとして厳しい。それにもかかわらず第2四半期は利益目標を達成し、主要製品の販売量をさらに増加できた」(コベストロ)と話しており、自社の戦略には自信を示している。
 わずか2年前の17年第2四半期は、各社とも好業績を謳歌していた。組織改革や合理化の徹底など、事業環境が一転した状況に対応した取り組みも続く。着実な戦略の遂行とともに、地に足を着けた施策の具体化が不可欠になっている。

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