機械商社が、その枠組みに収まらない、さまざまな挑戦を始めている。基本となる産業用機械をメーカーに販売・納入するビジネスにとどまらず、自動車やエレクトロニクス、環境、資源、インフラなど成長産業へ向けての組織再編および積極的な提案、国内外のベンチャー企業やスタートアップ企業とのパートナーシップ構築によるモノづくりへの参画、環境ビジネスへのチャレンジ、海外市場の開拓など多岐にわたる。
 機械商社には創業70年を超える老舗企業が多い。今後の国内市場の大幅な成長が見込みにくい状況下、既存の製造装置販売事業などで長年にわたり培ってきた人材、ノウハウ、国内外のネットワークを活用。これまで以上に付加価値の高い商材およびサービスの提供、海外市場の開拓に努め、高収益を確保する方針を固めているようだ。
 各社の取り組みを見てみる。第一実業は今春にスタートした中期経営計画「FACE2021」で、次世代型エンジニアリング商社を標榜。同社でなければできないビジネスの創出を狙うという。基本方針の一つに打ち出しているのが「自動車事業の飛躍的発展を目指す」で、その一環として4月に新たに自動車事業本部を設置している。
 また東京産業は、中計においてエネルギーへの対応深化、モノづくりイノベーションへの挑戦、新規事業への取り組み、グローバルビジネスの強化、人財の育成-という5つの成長戦略を推進中。うち新規事業への取り組みでは、その具体例の一つとして、スタートアップ企業との協業によるエアモビリティ業界への参画やドローン技術、画像解析技術を活用した顧客への展開を想定している。
 西華産業は現在進めている中計の重要テーマとして、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいる。この2月には名港海運、日本エネルギーパートナーズとの合弁会社「名南共同エネルギー」が営業開始。さらにIoT(モノのインターネット)関連やバイオマス燃料ビジネスのプロジェクトを立ち上げた。
 さらに中国市場でEV(電気自動車)業界への深耕も図る。中国向けLiB(リチウムイオン2次電池)用セパレーターや正極材、負極材などの製造設備の商談が拡大し、2019年度に200億円に到達すると見込まれることから、今後は電池パック製造装置やEV組み立て装置、各種原材料などを扱い、取引アイテムを拡大していく。
 これら各社のアクションにより、従来の機械商社のフィールドにとどまらない新しいビジネスが誕生し、国内経済活性化の一助となることを望む。

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