機能性表示食品制度が始まって、間もなく5年目を迎える。届出品目数は、1800品目を超え、食品ジャンルとして地位を確立したといえる。しかし対象の一つである生鮮食品は、目立つほどには増えていない。当初、同制度が生鮮食品の消費拡大の切り札になると期待されただけに残念な状況である。野菜や果物などの生鮮食品には、健康に有用な機能性成分が含まれているものが多数ある。農協や篤農家に魅力ある制度と認識されるように、活用促進のための一層の措置対応・普及活動が求められる。
 制度活用を促進するため、所轄する消費者庁では2018年3月末に通知「食品表示基準について」を改正し(最終改正は18年7月)、流通事情や容器包装の形状などにより直接表示が困難な場合、透明容器に包装されているものは内封表示書にして表示してもよいことや、容器包装が一体となっている場合に容器包装に札や票せん、プレートなど付けて表示することも認めた。機能性表示食品制度の表示のあり方では従来、容器包装の見やすい個所に表示すると規定していた。また届出に関わるガイドラインの第3次改正により、生鮮食品の1日摂取目安量の一部を摂取できる旨の表示の追加などを行っている。
 ところが生鮮食品の届出は、さほど伸びていない。機能性表示食品として受理されている生鮮食品はミカン、モヤシ、トマト、ホウレンソウ、ケール、精米、生食用カンパチなどがあるが、今年2月時点で30品目ほどに止まる。
 農林水産省は、生産者団体などに生鮮食品の機能性表示食品の取り組みを促すため、野菜・果実、食肉鶏卵、キノコなど品目ごとの相談窓口の設置や、関連団体による届出指導員養成講座の開設など、きめ細かいサービスを展開している。塩漬けの魚卵といった加工食品まで含めると、機能性表示制度の活用による品揃えは豊富だが、生鮮食品の代表格である野菜、果物は実際には多くはない。
 農研機構も、機能性の根拠取得のための農林水産物の研究などを推進し、研究レビューの改善・充実に取り組んでいるところ。18年度はGABA、β-グルカン、ダイズイソフラボンのレビューを公開する予定。
 生産者に制度を活用してもらう動機付けには、一般消費者に機能性表示制度自体が生鮮食品に対応することを徹底して認知させる活動や、産地が摂取機会を増やす販促活動を率先して行うこと、さらに国が認めないとした栄養機能表示食品との併用表示の再検討など、弾力的な取り組みが必要だろう。

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