2018年の外資系太陽電池(PV)メーカーの業績が出揃った。首位の座を守ったのは昨年初の出荷量10ギガワット超えを達成したジンコソーラー(中国)。18年は11・4ギガワットと、さらなる成長を果たした。ここ数年、トップ5の常連であるカナディアン・ソーラー(カナダ)は6・6ギガワット。前年比微減となったものの、18年の日本の総需要5・8ギガワットを1社で賄える出荷量を記録した。
 日本メーカーが優勢を誇ったのは今や遠い昔の話である。日系トップの京セラは1ギガワットに届かず、国内市場シェアの上位も外資系に占められる状況となった。圧倒的な生産量を背景とした価格競争力に、一様に高まった外資系各社の技術力がプラスされれば、当然の結果といえるだろう。
 世界的にみれば「太陽光発電産業は空前の繁忙期」(ジンコソーラー)にある。ドイツや日本などのPV先進国以外は、ほとんどの国や地域が未開の地といって過言ではない。陸上設置を中心とした大規模発電所(メガソーラー)の建設は世界中で進み、これからもガリバーメーカーによるPV供給は続くこととなるだろう。
 ただPVの活躍の場は、何もメガソーラーだけではない。現在、社会生活や産業インフラにおいてIoT(モノのインターネット)化が急速に進展しているが、機器やシステムを稼働させる電源確保が課題となっている。この電源にはPVが打ってつけだ。また自動車やビル全体にPVを適用しようとすれば、軽量で柔軟性に富んだPVが必要となる。PV先進国にも、十分すぎるほど新たな開拓領域が残されているといえる。
 PVを構成する材料メーカーにとっては、この新たな需要は大きなチャンスといえる。その代表例が軽量化に対する取り組み。通常のPVはフロント面に強化ガラスを使用しているが、例えばフッ素樹脂フィルムに置き換えることで、同サイズの一般的な製品に比べ3分の1の重量にすることが可能となる。フィルムメーカーの役割が増すこととなるだろう。
 また、東レがこのほど開発した透明アラミドフィルムも楽しみな存在だ。当初は折り畳みが可能なスマートフォンを中心に提案を進める考えだが、ガラス並みの強度と、折り曲げ100万回以上の耐屈曲性は、次世代PVに必須の性能といえる。
 国内では需要が右肩下がりと喧伝されるPV業界だが、中長期的にみれば可能性に満ちた産業といえる。スマート社会の実現のためにも、PVメーカーと材料メーカーの一層の協業を期待したい。

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