国内製油所の統廃合が進みつつある。2年前にJXTGホールディングスが発足し、今年4月には出光興産が昭和シェル石油と統合して新たに始動。石油元売りは再編が一段落したことで、国内に計22カ所ある製油所の統廃合に乗り出しつつある。人口減少、内燃自動車の燃費向上、電気自動車(EV)の普及などを背景にガソリンなどの石油製品需要は減り続け、2040年には現在の半分になる可能性がある。製油所の統廃合ととともに、高度化を進めるには石油化学の拡充が欠かせない。石油精製と石油化学が競争力強化に向け、業界や資本の枠を越えて手を携える好機といえる。
 JXTGホールディングスは先ごろ、2020年10月をめどに大阪製油所(大阪府高石市)での石油精製事業を終了する計画を発表した。同社の国内11カ所の原油処理能力は日量約193万バレルだが、このうち大阪は最も小さい11万5000バレル。
 JXTGは10年、中国石油天然気(ペトロチャイナ)の日本法人との間に設立した合弁会社に同製油所の運営を移管し、精製した石油製品を中国向けに輸出している。その契約が切れる20年9月末を機に同製油所を停止し、輸出機能を千葉製油所に移すことにした。
 同社は14年に室蘭で常圧蒸留装置を止め、製油所としての機能を停止。室蘭は今年4月、石油製品やパラキシレン(PX)原料の粗キシレンなど石化製品の生産からも撤退し、石油製品の物流基地に変身させた。また製造所と事業所の2つに分かれていた川崎も同月、新たに川崎製油所として一体化。石油精製と石油化学の連携・垂直統合をさらに強化している。
 一方、出光興産の製油所は昭シェルを合わせ計7カ所。京浜地区は千葉事業所、東亜石油、富士石油と一部地域が重複しているが、全国を北海道、京浜、中京(愛知製油所、昭和四日市石油)、西部(西部石油)の4地区に分け、リニアプログラミング(LP)によって4製油所のように全体最適を進めていく方向だ。同社は製油所の統廃合を否定するが、重複する京浜や中京は可能性が残る。
 石油連盟の月岡隆会長(出光興産会長)も一般論として「石油製品の内需減退のスピードをみると、各社は製油所の統廃合を進める必要がある」と述べている。さらに「石油化学との連動が重要。コンビナート内での製油所の位置づけを再考しなければならない。各社とも新たなステップをスタディしていく方向にある」とした。市場の変化は待ったなしの状況であり、石油精製と石化の踏み込んだ連携が求められている。

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