専門商社が車載ビジネスの強化に向け社内体制を整備している。HEV(ハイブリッド車)やEV(電気自動車)の普及が進むなか、最近では高齢者が起こした自動車事故への関心が高まり、これにともないADAS(先進運転支援システム)や自動ブレーキの搭載を求める声が増加している。このような世論の高まりを背景に今後、自動車の電子化が一段加速することが見込まれる。使用される部材も従来以上にハイレベルなものへと変化しよう。各商社では自動車・部品メーカーのニーズに応じるべく社内組織を刷新し、その取り組みを強化している。
 例えば長瀬産業は4月1日付で「自動車材料事業部」を「モビリティソリューションズ事業部」に、「自動車・エネルギーセグメント」を「モビリティ・エネルギーセグメント」に、それぞれ変更した。ドメインをすべてのモビリティ関連ビジネスに拡大。次世代モビリティ社会において環境に配慮し、安心・安全、快適を実現するソリューションをグローバルに提供する方針を明らかにしている。このモビリティソリューションズ事業部では、従来の自動車材料・部品の供給にとどまらず、移動体すべてに関わる材料・部品供給、製造、サービスなどのソリューションを提供できる事業体を目指すという。
 またエレクトロニクス商社のトーメンデバイスは、車載ビジネスの展開において社長直轄組織である「オートモーティブ営業推進チーム」の活動を強化している。メンバーは全営業人員の約3割を占める各部門の車載関連営業担当者で構成。車載顧客向けの個別展示会開催、車載ビジネスで実績がある豊田通商からの人員補強、部署の垣根を越えた情報共有による市場開拓などを進める。さらにランプおよびインテリア向けにLEDを提案する一方、車載向け有機ELのプロモーション強化やMLCC(積層セラミックコンデンサー)、バッテリーのサポート徹底で商圏確保に努める。
 一方、機械商社の第一実業は昨年、自動車ビジネスでテーマごとにプロジェクトチームを編成したのに次いで、今年4月に自動車事業本部を新設した。自動車産業で機電一体型モジュールなど先進的な製品の普及が見込まれるなか、新組織の発足によって国内外の顧客に対し各種ソリューションを提案。自動車市場の開拓を本格化する。
 各社が今後、このような取り組みを経てエコカーの普及や自動車事故を予防する仕組みづくりに間接的にでも貢献し、運転者および歩行者に対する安全性が、これまで以上に向上することを望みたい。

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