人口の減少と高齢化の進展が続いている。総務省が発表した2018年10月1日現在の総人口は、前年同月に比べて26万3000人減り1億2644万3000人だった。8年連続で減少したという。特徴的なのは、15歳未満と15~64歳のそれぞれの人口が減った一方で、65歳以上の人口が増加したことだ。64歳以下の人口が69万人減り、65歳以上の人口が42万6000人増えている。70歳以上が初めて総人口の20%以上に達し、人口の減少に加えて高齢化が進んでいることも分かる。もう一つ気づくのは、日本人の人口が減って外国人が増えたことで、外国人が日本の総人口の減少を和らげているといえる。
 人口ピラミッドはいびつで、おおむね45歳以下の年齢層の人口が若くなるにしたがって減っている。総人口に占める15歳未満の比率が12・2%、生産人口とされる15~64歳の比率が59・7%で、主要国に比べて低い水準であることも気がかりだ。
 このままでは日本の社会が立ち行かなくなる。働き手が少なくなっていくのだから、企業活動や私たちの生活に影響が出るのは必定である。
 ただし事態を静観しているばかりではない。高齢化に対応した取り組みを進める企業は少なくない。個々人の健康状態に合わせた栄養摂取や健康管理について指導する「パーソナライズドニュートリション」事業を育成するDSMは、その一社だ。
 同社は、急性期医療・回復期リハビリテーション医療を提供する病院グループ「巨樹の会」傘下の医療法人社団「埼玉巨樹の会」(埼玉県久喜市)と、栄養リハビリテーション分野の新たなサービス開発に向けた検証を始めた。ビタミン、ドコサヘキサエン酸(DHA)、ルテイン、カロテノイドなどを幅広く手がけるDSMが持つ栄養にかかわるデータと、巨樹の会が持つ医療に関連する知見を融合することで、個々の患者の早期の回復に資する栄養情報の提供を目指している。
 バイエル薬品は北海道と「生活習慣病対策の推進に関する連携協定」を結んだ。北海道が策定した「北海道医療計画」に定める脳卒中および心筋梗塞などの心血管疾患や糖尿病などの生活習慣病の発症・重症化予防に向けた啓発活動、特定健診の受診率向上、眼疾患に対する理解向上、予防・疾患啓発施策を協力して進めるという。
 いずれも高齢化が進む社会では大切な取り組みだ。難しい環境にある人達を支えるために着実に成果を積み上げて欲しい。同時に、できるだけ多くの企業が加わり、こうした活動の幅が広がることを期待したい。

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

社説の最新記事もっと見る