規模の大小にかかわらず、多くの企業がSDGs(持続可能な開発目標)を意識したモノづくりを推進している。植物由来原料を用いた樹脂だけでなく、それに適した添加剤や、同樹脂を使った成形加工品なども続々と生み出されている。
 関西に本拠を構える企業も、持続可能な社会の実現に寄与するため、関連する活動に力を注いでいる。大八化学工業(大阪市)は、生分解性樹脂用可塑剤の営業に励んでいる。混基二塩基酸エステルを組成とするもので、ポリ乳酸などの生分解性樹脂に配合でき、それ自体も生分解する。グローバルに、さまざまな分野で利用してもらえるようテュフ オーストリアの「OK compost」をはじめ海外認定機関の識別表示マークを相次ぎ取得している。
 着色剤マスターバッチなどを手がける三協化学工業(大阪府柏原市)は、熱可塑性でんぷんを普及させる。トウモロコシ由来の工業用でんぷんが主原料の100%植物由来素材で、石化および植物由来樹脂に混合して使用する。日本有機資源協会のバイオマスマーク認定商品に登録されており、ごみ袋のような日用消耗品や農業用資材などに採用を働きかける。
 着色剤を主力とするオーケー化成(大阪市)は、植物由来樹脂を含んだプラスチック成形機用洗浄剤を開発した。汎用樹脂洗浄向けで、性能は既存の石油由来樹脂を用いたものと同等。日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラ(BP)マークを取得している。
 三和化工(京都市)の独立気泡バイオマスポリエチレン(PE)フォームもBPマークの認定を受けている。一部にサトウキビ由来原料を用いたバイオマスPEを、化学発泡剤によって発泡体に仕上げている。物性や加工性は石油由来のPEフォーム並み。日用雑貨、工業部品・製品を梱包・輸送する通函の内装・緩衝材、そして土木建築資材などに提案を進める。
 新たな産学官連携事業も始動した。今年9月に、大阪大学の宇山浩教授らが海洋生分解性バイオマスプラスチックの開発・普及を目指したプラットフォームを立ち上げた。荒川化学工業(大阪市、以下同)、サラヤ、白石カルシウム、スタープラスチック工業、積水化成品工業、利昌工業、松谷化学工業(兵庫県伊丹市)といった関西に本社を構える企業などが参画。オープンイノベーションで実用化を進める。
 経営、事業活動を実践していくうえでSDGsは無視できない。環境配慮型素材・製品に関する取り組みの活発な関西企業各社に引き続き注目したい。

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