この世に生まれ、もの心付いた頃から考えてはいるが、どうしても解けない疑問がある。結構、たくさんある。そして、それらの疑問は結局、生涯解くことができないであろうと、この頃は諦めることにしている▼とはいえ、それら疑問の多くは、煎じ詰めてしまえばこうなる。人間はなぜ、これほどまでに愚かなのだろうかと。そして、解けないはずのそれら多くの疑問の答えについても、煎じ詰めれば結局、人間がどうしようもなく愚かだから、と考えると氷解する。したがってこの世の多くの問題は、人間の愚かさに起因していると片づけたくなる▼この2週間で2度、海外出張した。そして海外出張のたびに頭に浮かぶ、解けない疑問がまたも頭に浮かんだ。なぜ、国境というあの腹立たしい境目があるのかという疑問だ。世の中では、貿易戦争が世界経済にどのような影響を与えるかについて、さまざまな憶測が飛び交っている。しかし、人間が自由に越えることができない国境とは何か。国境がなければ貿易戦争も起きないではないかと言いたくなる▼さて、国境の向こうの異国での出来事。あの広いフェアウエイで、なぜボールは白杭が示す境目を勝手に越えてしまったのか。日焼けで変色した顔をさすりつつ、解けない疑問について考えた。ボールが愚かだったのだ。きっと。(19・6・18)

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