東京五輪まで1年を切った。関係各方面の準備が急ピッチで進むが、観戦チケットの抽選販売はすこぶる評判が悪い。5月の抽選では、「全く当たらなかった」という応募者が続出。複雑で面倒なID登録、申し込み手続きと相まって事務局への批判が集中した▼きょう19日に、第1次の落選者だけを対象にした救済抽選の申し込みが締め切られる。その人数は実に416万人。他方、第1次の当選者は当たったチケット全ての購入が義務づけられ、なかには数十万円分も購入した人もいるとか▼そもそも、大半の競技で出場国や出場選手、組み合わせが決まっていない。分かるのは競技日程だけ。仮に先着順だとしても、申し込みはかなりの博打になる。販売方法への疑問は当初からあったが、批判されてやり方を変更するという迷走ぶりにまた批判が集まる▼開催地決定は、13年9月にブエノスアイレスで開かれたIOC総会。東京招致の最終プレゼンテーションで印象的なスピーチをしたのが滝川クリステルさん。キーワードは「おもてなし」だった▼もちろん彼女はチケット問題と関わりはない。しかし大会招致事務局にとって、おもてなしの対象はIOCの理事や委員たちだったことが露呈してしまった。都民、国民を蔑ろにしたまま、観戦チケット問題はこの先もまだ一悶着ありそうだ。(19・8・19)

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