創薬ベンチャーのアンジェスが、開発中の新型コロナウイルスワクチンの最終段階の第3相臨床試験について数百人規模を対象に日本で実施する方向であることが分かった。実用化は2021年春を目指すという。

 ワクチンの有効性を見極めるには多くの被験者を集めて検証する必要がある。世界供給を視野に入れる欧米製薬は数万人規模の試験を計画し、流行地である南米などでも試験参加を呼び掛けている。

 アンジェスはまず日本への優先供給を視野に入れ、厚生労働省など規制当局と協議しながら数百人単位の第3相を20年秋以降に開始し、21年春の実用化につなげる方針だ。

 22日には現在進めている第1/2相試験の低用量接種のパートを完了し、高用量接種のパートに進展したことを発表した。同試験は安全性と免疫原性を評価し、7月末をめどに接種を終え、9~10月頃に結果が判明する予定だ。

 アンジェスが開発しているのはDNAプラスミド技術を活用し、ウイルスの表面に存在する「スパイク・タンパク質」をコードしたコロナワクチン。接種すると体内で発現するスパイク・タンパク質を抗原として認識し免疫ができる。日本では最も早く治験に進んだワクチンだ。製造はタカラバイオが担い、AGCなども協力している。

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