エレクトロニクス商社が海外で事業展開を本格化している。その中心となっているのは自動車産業向けの商材だ。成長が期待される中華圏やASEAN(東南アジア諸国連合)、そして欧州を主な対象地域と位置付けている。日本国内の産業が停滞し、右肩上がりの成長が見込みにくい状況下、商材単体にとどまらず、ソリューション展開に余念がない。今後、各社の海外ローカルビジネスが加速していきそうだ。
 エレクトロニクス商社は直近の中期経営計画において、海外展開に向けて積極策を打ち出している。新光商事は、これまで中国での事業展開では、現地に進出している日系メーカーにデバイスを提供してきた。しかし今後、ローカルメーカーへの販売も強化する考えを打ち出している。すでに自動車関連ではローカルのガラスメーカーとの連携で、サンルーフの開閉に使う駆動ユニットを提案・販売する案件が具体化している。新光商事が中国メーカー製のガラスに駆動モーター、ECU(電子制御ユニット)などを一体化して提供する。中国の自動車大手や鉄道車両メーカーへの販売を見込んでいる。
 リョーサンも、海外でローカルビジネスを拡大する考えだ。中華圏では現地子会社を活用して協業先とも連携。車載用途では、とくにEV(電気自動車)用インバーターなどパワー系ソリューションの提案に力を注ぐという。韓国やASEANでは、車載・産業機器市場に向け半導体や電子部品を販売。欧州では、現地のパートナーと連携してドイツ市場の開拓を推進していく。
 一方、欧州で展開強化を打ち出しているのが丸文だ。ハンガリー・ブダペストに米アロー・エレクトロニクスとの合弁会社「丸文・アロー・ヨーロッパ」を開設し、2017年11月から営業を始めた。1年以内をめどにドイツに新たな営業拠点を開設することを計画している。欧州へのアプローチは2度目となるが、今回は自動車産業の動きが活発化してきたことが背景にある。
 日本では、異業種の業界参入や市場の成熟、競合メーカー間の大型再編などが進展し、成長の余地がなくなりつつある。このためエレクトロニクス商社は、今後伸びるマーケットであるアジアなどを中心に攻勢を強めている。顕著なのは、例えばサンルーフ駆動システムなどの高度な商材を、単品ではなくユニットとして提供することを心掛けている点。いかにもエレクトロニクス商社らしい。商材の付加価値を高めることで収益拡大を果たしたいところだ。

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