オンコリスバイオファーマは開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬「OBP-2011」に関する共同研究契約を筑波大学、国立感染症研究所(感染研)との間で相次いで結んだと発表した。筑波大とは動物試験についてで開発の効率化を図るのが狙い。一方、感染研とは同薬の特徴を明らかにすることが目的だ。有用性を確認し、大手製薬会社へのライセンス契約を目指す。

 開発を進める「OBP-2011」は2006年に鹿児島大学と創薬研究を始めた医薬品候補化合物。新型コロナウイルスのほか、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東型呼吸器症候群(MERS)への活性が確認されている。年内に動物試験を終え、治験届を提出したい計画としている。

 新型コロナウイルスを用いた動物実験は高度な安全設備を要するため、環境の整った海外の医薬品開発支援機関(CRO)に委託するしかなかった。だが、遠隔地のため効率的な試験が難しかったことから、今回、筑波大と組み、効率化を図ることとした。

 また、感染研とは新型コロナウイルスの増殖にかかわる、ヌクレオカプシドの形成を阻害するOBP-2011のメカニズムの詳細解明に取り組む。作用機序を突き止めることで、同薬の特徴を明確化し、導出につなげる。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

セミナーイベント情報はこちら

ライフイノベーションの最新記事もっと見る