パリ協定の発効を受けて、脱炭素化への取り組みが世界的に進行する。2℃目標を達成するには、イノベーションによってエネルギーシステムを大変革する必要がある。さまざまな次世代技術の実用化が期待されるなか、水素もキーテクノロジーの一つと目される▼欧米諸国、産油国、産炭国など世界各国が水素関連技術の開発を進めるが、日本は昨年12月に世界に先駆け水素基本戦略を策定。再エネと並ぶ新たなエネルギーの選択肢と位置づけた。供給と利活用の両面の技術開発を加速し、水素社会実現を目指す▼近い将来に本格活用を果たすにはグローバルな水素サプライチェーン構築が欠かせない。経産省は来月、水素閣僚会議を開催。各国の革新的技術や最新の知見、国際連携の可能性、政策の方向性などを議論、国際社会でこの分野の主導権獲得を狙う▼同省は、先週末に財務省に提出した2019年度予算概算要求でも、水素関連事業に手厚く配分した。海外の未利用エネルギーを活用した水素製造、福島における世界最大級の再エネ由来水素製造・利用実証などが目玉▼製造、貯蔵、輸送、利用の各段階で新たな技術が求められ、ルール設計も必要になる。オールジャパン体制で推進すべき取り組み。化学産業には新たなビジネスチャンスであり、担う役割もより大きなものとなる。(18・9・3)

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