最近、昭和電工の方と名刺交換をしたら、そこに印刷されていたイラストが、鉛筆から「カチンコ」に変わっていた。コピーは、鉛筆時代の「具体化。」に代わって「動かす」。発表によれば、グループの新たな物語をスタートさせるためのシンボルとして、カチンコをモチーフにしたという▼一応注意を喚起しておきたいが、「ガチンコ」ではなく「カチンコ」である。ガチンコはすこし前、横綱稀勢の里の相撲の姿勢を言い表す言葉として、マスコミに頻りに登場していた。もしや相撲に関するなにかのイメージを持った方もいるかもしれぬと、余計なお世話の一文を添えた▼さて、カチンコ。映画の撮影に使う道具で、音の鳴る拍子木部分とショット情報を記載するボード部分からなる。名称は拍子木を鳴らしたときの「カッチン!」という音に由来する。別々の機械・メディアに記録される音と映像のシンクロを図るためのマーキングに必要な道具である▼夢の中でカチンコを見たことが何度かある。夢で音が鳴るのかどうかよく分からないが、音がないなら本来カチンコは必要ないはずである。それでも登場してくるのだから、象徴性の高い道具なのである▼連結で1万人を超える従業員が会社を舞台に「動かす」ドラマを演じていく。その演じぶりを注目していきたい。(19・3・6) 

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