グルメブームはとどまるところを知らない。個人ブログでも「どこどこで何々を食べた」などの記事があちこちにアップロードされている。インスタ映えという言葉もグルメなしにはここまで普及していない。雑誌やグルメサイトではこれでもかというほどご馳走の写真が載る▼一方でこうしたグルメブームを批判する本も目につくようになってきた。柏井壽著『グルメぎらい』もその1つ。柏井氏はNHKでテレビドラマ化された『鴨川食堂』をはじめ、数多くの食べ物に関する著作を出版するなどグルメブームを引っ張ってきた人だ。その人が今のブーム、特に料理人やそれを賛嘆する人々の態度が鼻につくと書き出した▼田中康夫氏は著作『いまどき真っ当な料理店』で作り手、食べ手、供し手の3拍子が揃って、いい料理店だと言う。最近、なかなかこういうお店に出会わない▼特に供し手のレベルの低さが目立つ。料理やお酒に関する知識を持っていない若い店員に驚かされることも少なくない。客が大きな声で話をしてもたしなめることもない店で途中で切り上げたこともある▼ブームの一方で、それを支える人たちが減っていると感じることが多い。そのうち携帯端末で注文し、ベルトで料理が運ばれてくるという店が回転寿司以外でも普及してくるのだろう。ちょっと寂しい。(18・9・28)

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