日産自動車前会長のカルロス・ゴーン氏逮捕を巡る報道が喧しい。世界的企業グループトップの身柄拘束は、国内外に衝撃を与えた。逮捕当日19日午後10時から日産が開いた記者会見をテレビ各局がかなりの時間を割いて中継したのも当然だろう▼それ以降、メディアやネットに夥しい情報が溢れる。事実関係、告発の背景、ルノー・日産・三菱自動車の3社連合の将来など、切り口と突っ込みどころは尽きない。民放のワイドショーは連日、巨大パネルを使った解説を続ける▼不思議なことに、ゴーン氏の”悪事”が新事実として次々と明らかにされている。普通に考えて、情報の大半は日産関係者と検察関係者が出所だろう。報道陣の取材力なのか、それとも思惑絡みの意図的なリークがあるのか▼ルノーから乗り込んだ同氏が、日産リバイタルプランを発表したのは1999年10月。業績不振の同社を短期間でV字回復させた。コストカットの手法に異論もあるが、経営者としての辣腕ぶりは実績が示す▼年間報酬が30億円でもおかしくない。グローバルスタンダードならそれでいいが、日本では10億円でも多いと言われる。そのギャップを埋めるべく細工を弄したのか、全容解明が待たれる。長期化し絶対化した権力は必ず腐敗する。これもまた、古くからのグローバルスタンダードだ。(18・12・3)

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