物流企業による東南アジア展開が活発化している。同地域の経済成長にともない物流需要が拡大基調で推移しているほか、対象貨物も多様化。高速道路や工業団地といったインフラ整備の進展も背景に、現地の日系企業をはじめとした顧客ニーズが高まりをみせている。こうした動きを受け、物流各社は倉庫や現地法人の新設など東南アジア投資を積極化している。一方、強みとする高品質な物流サービスで、いかに差別化を図るかが今後のカギを握るだろう。
 日立物流は今年10月、マレーシアのニライ工業団地に新たな物流センターを開設した。冷凍冷蔵品の保管・配送専用拠点として、高度な温度管理やセキュリティー体制を整備するとともに、指装着型ウエアラブル端末や配送管理用などの新システムも導入。スマートロジスティクス技術を活用した安全で先進的なサービスの展開を図る。
 日新は、マレーシアのマラッカ州に自動車関連物流の重要拠点に位置付ける新倉庫を今年5月に完成させ、同地区での保管総面積を約2万6000平方メートルに拡大した。現地進出している自動車メーカーや部品企業を対象に、同社がグローバル規模で展開しているジャスト・イン・タイム・サービスを提供する。
 川西倉庫は、インドネシアの西ジャワ州MM2100工業団地内に冷凍冷蔵対応倉庫を17年10月に新設した。約2万5000平方メートルの敷地内に、第1期として延べ床面積約5600平方メートルの施設が稼働。さらなる顧客サービス向上のため第2期工事も同地で計画している。
 一方、ベトナムでは、現地法人の設立が相次いでいる。日陸は今年10月にハノイに開設。グループ会社のNRSライザエクスプレスの事業と人員を継承した。輸送やフォワーディング、危険化学品倉庫事業のほか、タンクコンテナおよびIBC(中型容器)など多様な容器のリース・販売で幅広いニーズに対応する。
 三菱ケミカル物流は、ホーチミンに昨年9月設立。ケミカルを中心としたフォワーディングや管理コンサルティングをはじめ、仕入れ先で大きなウエートを占める包装資材の取り扱い業務などで、近隣諸国も含めネットワーク拡充を図っている。
 日本の物流市場は、中長期的には人口減少などを背景にシュリンクすると見込まれる。そのなか物流各社は、開拓の余地がある一大市場として東南アジアを位置付けている。そこで外資も含む競争に打ち勝つためには施設などのハード面に加え、多様な顧客サービスといったソフト面の充実が必須になろう。今後の動きを注目したい。

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