日本の国土の約7割は森林だと学校でむかし習った。その森林のうち面積比で54%が天然林、41%が人工林だそうだが、その人工林面積の44%、森林面積全体比では18%を占め、日本で最も繁栄している樹種がスギである▼スギといえば、花粉症に悩まされている人にとっては目の敵にされておかしくない樹木ではあろうが、この豊富な国産資源を有効利用しない手はないわけで、国や自治体の研究機関、大学などがさまざまに取り組んでいる。いま注目のセルロースナノファイバー(CNF)をはじめ、従来のリグニンスルホン酸系減水剤より優れた性能を持つコンクリート混和剤がスギリグニンから開発されたりしている。ちなみにリグニンは木質バイオマスの20~35%を占めている▼さらに本紙の先週金曜日付の1面で紹介されたとおり、スギ由来バイオプラスチック原料「ラクチルセグメント」の実用化にJIRCASなどの研究コンソーシアムが取り組む。すでに3Dプリンター用フィラメントなどの試作を進めているという。もちろん、生分解性ポリマーとして、もっと広範な分野への展開が期待される▼スギに限らず木材資源の大国である日本が、その資源と世界最先端の技術を使って環境対応素材の実用化に邁進する。将来に向けての太い道筋となってほしいものだ。(18・4・11)

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