竹を原料とした衛生製剤や日持ち向上剤を手がけるタケックス(大阪府吹田市)は、竹の一種である「モウソウチク」の抽出物を含むアルコール製剤に、新型コロナウイルスへの持続的な不活化効果があることを確認した。モウソウチク抽出物には抗菌成分「2,6-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン」が含まれており、ネコカリシ(ノロの代替)などのウイルス不活化が分かっている。 モウソウチク抽出物はモウソウチクの茎の表皮を粉砕しエタノールで抽出。抗菌成分のほか、リグナンやバラノフォニンといった抗酸化成分が含まれる。ラットを用いた急性毒性試験などで安全性を確認。食品添加物としての認可も得ている。

 モウソウチク抽出物が鳥インフルエンザ、ネコカリシの両ウイルスを不活化することは突き止めていたが今回、新型コロナウイルスに対する効果を検証した。試験は日本繊維製品品質技術センターで昨年12月に実施。プラスチック製のプレートにモウソウチク抽出物含有アルコール製剤を噴霧して15日間保管後、新型コロナウイルスの懸濁液を接種し不活化効果を調べた。その結果、99・99%の不活化を確認した。

 モウソウチク抽出物含有アルコール製剤は国内外でBtoB、BtoC向けに展開。従来の製剤では効果が期待できなかった幅広いウイルスや菌のほか、アルコール度数が低下する濡れた場所でも高い効果を発揮するといった強みを生かし、差別化につなげていく。

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