世界的なプラスチック製品に対する規制の動きが、プラ加工機械メーカーにとって新しいビジネスチャンスとなりそうだ。樹脂メーカーが環境適合性に優れる生分解性プラの増産体制を強めることにより、バイオプラの世界需要は2022年に100万トンを突破する見通し。同時にプラ加工機械メーカーでは、新しい成形システムを提案している。環境問題への対応は難しいが、クールジャパン製品として存在感をみせてほしい。
 今年はプラ製品業界にとって厳しい一年となった。使い捨てプラ包装容器の削減に向け、欧州やアジア諸国などで、さまざまな規制の動きが出た。食品・飲料業界では使い捨てプラ製品の紙製への代替を検討するケースが増加している。
 カネカは今夏、生分解性プラの生産能力を年5000トンに増強すると発表した。将来的に年2万トン体制を構築するという。三菱ケミカルは生分解性プラを使用したコップを開発、10月から販売開始した。
 バイオプラは、植物など生物資源(バイオマス)から製造されるプラと、微生物と酵素の働きで分解される生分解性プラの双方を指す。欧州バイオプラスチック協会の調査によると、22年にバイオプラ市場は100万トン超まで伸びる。
 一方、バイオプラを成形加工する際に「材料特性として耐熱温度が低い」「強度が不足している」といった難点がある。そもそもバイオプラは生産能力が足りず、流通量が少ない。通常の射出成形機では、従来の樹脂ペレット同様の特性を引き出すのが難しいようだ。
 射出成形機専業大手の日精樹脂工業は、トウモロコシなどバイオマスを原料とした生分解性プラであるポリ乳酸の新たな成形加工システム「N-PLAjet」を小松技術士事務所(福島県いわき市)の小松道夫氏と開発、市場展開している。
 同システムは、耐熱ポリ乳酸の射出成形および超臨界微細発泡射出成形、ポリ乳酸の薄肉射出成形、天然繊維含有ポリ乳酸の超臨界微細発泡成形の4技術で構成される。耐熱温度で140度C(従来は70度C)を実現したことに加え、金型からのスムーズな取り出し、優れた断熱性、透明な薄肉カップの成形を可能にした。すでに幼児用プラ食器で製品化している。今年、欧州企業からの問い合わせが急増。今後、本格的な需要期に入ることが予想される。
 バイオプラの市場が今後、拡大することは間違いない。射出成形機メーカーは、高機能プラ製品の成形プロセスの開発を急ぎ、新しいビジネスチャンスにつなげてほしい。

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