この時期、急な雨に遭遇し、コンビニエンスストアに駆け込み傘を求める人も多いはず。それは一般にビニール傘と呼ばれるが、昨今はポリオレフィン傘と呼ぶのがふさわしい。雨をよける透明部分の素材は、以前はビニール(塩化ビニル樹脂)が主流だったが、最近はポリオレフィン製がほとんどだからだ▼ビニ傘の美点は軽量性と視界の良さ。傘を差していても周りを広く見渡せるので、布製の傘より安全に歩くことができる。元気に通学する子供たちや、道端に咲くアジサイを楽しむ高齢者にもいち早く気付く▼某コンビニで買うビニ傘の柄には「APO」のロゴがある。これは素材に採用しているアモルファス(非晶性)ポリオレフィンの略だという。ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンは通常、結晶性のプラスチックだ。軽量性や強度に優れるが、塩化ビニル樹脂などに比べて透明性に劣る。非晶性のポリオレフィンとすることで透明性を高め、傘に使っているのだろう▼ビニ傘のおかげで雨の夜道も安心だ。それが理由ではないが、雨宿りを兼ねて赤提灯に立ち寄り、深夜の電車に揺られる。乗り過ごしそうになり慌てて下車し、あっと気付く。車内に忘れたビニ傘はこれで何本目だろうか。それでも後悔の度合いが低いのが、ビニ傘のもう一つの美点か。(18・6・12)

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