米ファイザーと独ビオンテックは1日、生後6カ月~4歳を対象にした新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可(EUA)の申請手続きを米国で始めたと発表した。免疫反応が不十分だったため開発はまだ進行中だが、これまでの試験データなどを薬事当局に段階的に提出していく。ワクチン接種がない小児の感染が急増しているため、前倒しで薬事審査を進め、いち早い実用化を目指す。

 両社は生後6カ月~4歳の乳幼児に対するコロナワクチンの初回免疫として、まず21日間隔で2回接種し、さらに2カ月後に3回目を行う接種スケジュールで開発を進めている。2回目までの臨床試験データは揃っているため、まず2回目までの接種を可能にする薬事手続きを進める。一部報道によると、乳幼児の感染急増を受けて米当局からも前倒し申請が要請されたもよう。今月中にも2回接種までを対象にEUAされる見込みと報じられている。

 米国以外の各国・地域でも同様に対応していく考えで、現時点までの試験結果を段階的に提出する。3回接種後の完全データがまとまるのは数カ月後になる予定。

 当初は2回接種までを初回免疫とするスケジュールで臨床試験を行っていたが、2~4歳に対する免疫反応が不十分だった。このため2カ月後に追加接種する試験デザインに変更し、試験を延長した。1回の投与量は16歳以上の10分の1となる3マイクログラム。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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