米ファイザーはこのほど、開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬「PF-07321332」について臨床試験で有効性を確認したと発表した。重症化リスクがある軽~中等症患者の入院・死亡リスクを89%低下させた。十分な有効性が確認できたとして前倒しで治験を終了する。近く中間結果を提出し、各国で緊急使用の申請手続きなどを始める。

 基礎疾患など重症化リスクがある軽症~中等症患者を対象に行った第2/3相臨床試験(P2/3)で、有効性データなどを中間解析した。感染確認から3日以内に投与を始めた場合、治験薬群で4週間以内に入院・死亡した重症化率は0・8%(389人中3人)。プラセボ投与群の同7・0%(385人中27人)を有意に下回った。感染から5日以内に開始した場合も同じ傾向だった。

 同社は「圧倒的な有効性」が証明されたとして、第三者評価機関や米国食品医薬品局(FDA)の勧告により前倒しで同P2/3を終了。現時点で約3000人の登録が完了し、日本人も参加している。実用化されればコロナ治療薬として2つ目の飲み薬になる。

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