農産物や水産物の市場では産地間競争が熾烈である。コメならば古くから魚沼産コシヒカリがトップブランドに君臨してきた。近年はそれを凌ぐ品種の開発とブランド化が各地で取り組まれている。フルーツや野菜、牡蠣なども同様だ▼それぞれの産地では生産者間の競争も激しい。それでも、協力・連携すべきところは手を組んで産地のブランドを育成する例が多い。その結果、消費者には美味しいものが手頃な価格で提供される。余裕があれば高級品を選ぶこともできる▼製造業の分野はどうか。同じ製品を同価格で売るなら、低コストの方が利益が大きい。不断の生産性向上が必要なのはそのため。高機能化、高性能化による製品の付加価値向上も不可欠。企業間競争では、各社の処方箋は似たようなものとなる▼自動車を巡って繰り広げられるのが素材間競争。高強度軽量素材として、鉄(ハイテン)・アルミ・炭素繊維が鎬を削る。いまは鉄が優位だが、シェア逆転があるか棲み分けが進むのか▼最近、マテリアルズ・インフォマティクスが注目を集める。膨大なデータとコンピューター解析を応用し新素材を設計する開発手法。ここでは同業・異業種企業の協業が欠かせないから、ライバル企業がクラスターを形成する。プラットフォーム間競争という新たな舞台が、遠からず幕開けになる。(18・5・14)

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