欧米企業の間でプラスチックの再生・再利用の取り組みが活発だ。いずれもプラスチックを生産したり、プラスチックパッケージを使う企業が「サーキュラー・エコノミー」(循環型経済)を支えることを目指したプロジェクトだ。
 欧州では、独自のリサイクル技術を持つ独APKが活動の幅を広げている。食品包装に使う多層フィルムのリサイクルでDSMと提携したほか、石油・ガスや石油化学事業を展開するハンガリーのMOLグループと戦略的提携を結んでいる。
 DSMとは、ポリエチレンとポリアミド6(PA6)を使った多層フィルムのリサイクルを目指している。使用ずみの多層フィルムから、再び食品包装向けの多層フィルムに使うことが可能な品質を持つPA6などを産出することが狙いだ。
 MOLは提携第1弾として、これまで困難だった混合プラスチックをバージン樹脂に匹敵する品質にリサイクルできる独自技術を使って、APKが独ライプチッヒ近郊のメルゼブルクにプラントを新設するプロジェクトを支援する。
 また欧州では、ヘンケルがシャンプーなどに使われているプラスチック容器を、2025年までに100%リサイクル・再利用・コンポスト化(堆肥化)可能にする方針を決めた。目標達成のため、持続可能な素材の採用、デザインの刷新、再利用の促進-の3点に取り組む。
 米国では、これまでリサイクルが困難だったフレキシブルプラスチックごみの再利用に向けて新たな研究プロジェクトがスタートした。ダウ・ケミカル、ライオンデルバセル、シェブロンフィリップスケミカルといった化学企業のほかP&G、ネスレ、ペプシコといった食品・日用品大手、包材大手のアムコールなどが参加している。
 プラスチックは私たちの日々の暮らしの隅々に行き渡り、欠くことのできない素材の一つである。その大切な素材であるプラスチックが、ごみ問題の矢面に立たされていることも広く知られている。
 大事なのは、あらゆるステークホルダーがプラスチックの有用性を確認したうえで、生産・消費・処理にかかわる循環型システムの確立に力を合わせることだろう。とくに消費後の廃棄をなくし、回収と再生・再利用を促進する必要がある。それはプラスチックが環境にとって悪者ではなく、プラスチックと環境は共生可能であるとの考えに立ち、イノベーションを創出する努力を続けることでもある。こういった見地から、各社の取り組みが多くの成果を生み出してくれることを願う。

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