店の前まで行くものの、通り過ぎることが続いていた。近いといえばそうだが、歩いては行けない微妙な距離にあるラーメン屋の話だ。いつも混んでいて、駐車場が空くのを待つ車が公道に並んでいる。年のせいだろうか、その最後尾にハザードランプを点けて並ぶのが億劫になった。最後に入ったのはいつだろうか。もう1年は経ったかも知れない▼注文するのは、ランキングで上位を獲得する看板メニューのラーメンではなく、つけ麺の方だ。何度食べてもまた食べたくなる独特の旨さがあり、個人的な一押しはつけ麺の方だ。他の店では出会えないので、同じ店に通うことになる。そのつけ麺を久しぶりに食べることができた。タイミング良く駐車場に入れたからだ▼お世辞にも綺麗とはいえない店内。なぜそれほどの大音量が必要なのか理解できない大きな声のいらっしゃいませ。店員が巨大な豚骨をこれまた巨大な寸胴(ズンドウ)にぶち込んでいる。その様子がカウンター越しに丸見えだ。しかし、そんなことはどうでも良い。出てきたつけ麺を一心不乱に食せば、全て良しとなる▼心配なのは、他の客がつけ麺を注文するのをあまり見ないことだ。もしやROICだとかポートフォリオ改革などと言い出さないだろうか…。どうも少し、職業病が進行しているようだ。(20・12・8)

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