文字通り、熱気と感動に包まれた44日間だった。並み居る強豪国を撃破する日本代表の快進撃に列島が沸きに沸いた。日本がベスト8で敗退した後の準決勝、決勝も見応えが十分。この競技の醍醐味を堪能できた。ラグビーW杯は大成功のうちに幕を閉じた▼ノックオン、ジャッカル、オフロードパスといった用語が、お茶の間、居酒屋、カフェで飛び交う。子供たちの遊びの場で、反則行為への制裁としてシンビンが導入され始めたというのも面白い。ラグビーが急に身近なスポーツになった▼祭りが終わり、巷には”ラグビーロス”が漂う。しばらくは余韻が残るが、いまの盛り上がりをファン層の獲得や底辺拡大に結びつけることが協会や関係者の新たな課題。まずは1月開幕のトップリーグで大幅な観客増を果たせるかが試金石か▼2011年サッカー女子W杯でなでしこジャパンが優勝、チームは大人気を博した。その4年後、当時の宮間あや主将が「ブームではなく文化に」と語った。一過性のブームではなく社会にしっかり根付かせたいとの思いだ▼ラグビー関係者もいま同じ気持ちだろう。新プロリーグなどいくつかの構想が浮上していると聞く。将来ビジョンをどう描き、どう具体化するか。乗り越えるべき壁も多かろうが、粘り強い連続攻撃で突破を図ってもらいたい。(19・11・11)

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