米ファイザーと米モデルナは15日、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の承認審議に向けて最新の有効性データなどをそれぞれ発表した。米国では17日の米国食品医薬品局(FDA)の諮問委員会で、3回目接種の是非などが専門家で議論される予定。両社は2回目から一定期間が経過すると効果が弱まるため3回目の必要性を主張。だがFDAは、3回目について否定的な見解を示している。

 ファイザーは、諮問委に提出した資料で2回目接種から半年間の有効性データなどを報告。2回目から2カ月時点までの発症予防効果は96・2%だが、2~4カ月後は90・1%、4~6カ月後は83・7%に低下していた。

 モデルナは、デルタ株が主流になった今年7~8月に報告された「ブレークスルー感染」のデータを報告。1回目接種から13カ月(中央値)経過した集団の感染者は162人で、同8カ月集団の88人より多かった。

 両社とも3回目接種の有効性などを検証した臨床試験を実施し、2回目後のピーク値を大きく上回るレベルまで抗体価が上昇したことも発表ずみ。米国などで3回目接種の緊急使用を申請中だ。

 一方、FDAは事前の評価資料で、3回目で免疫反応が上昇することは認めるものの、2回接種で「重症化、死亡に対する予防効果はある」として、3回目の必要性に否定的な見解を示している。17日の議論をふまえ、米政府は20日にも一般向けの3回目接種を始める方針。反対するFDA高官らが相次ぎ辞任する事態にもなっている。

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