東京五輪開催まで一年を切りテスト大会が行われるになってきた。パラリンピックも観戦チケットの申込受付が始まった。多くのメディアがパラスポーツの特徴や魅力を伝えている。興味深く見たのは「伴走者」を取り上げたNHKスペシャル▼視覚障害を持つランナーをガイドするのが伴走者。ランナーとは長さ10センチほどのテープでつながれ、それは「絆」と呼ばれている。伴走者は単なるサポート役ではない。まさしくランナーと一心同体となって走る▼目を見張ったのは100メートル走の世界記録を持つアメリカのランナーと伴走者。見事なまでに腕と足の動きがシンクロしている。伴走者はランナーを見ることなく、ゴールを見据えてほぼ全力で走る。両者に絶大な信頼感がなければできないだろう▼しかし、息さえ合えば記録が伸びていく訳ではない。自らの走力を高めることがランナーには求められる。ある練習の時、年長の伴走者はシンクロすることを止めてランナーを激しく叱咤した。自分の限界を超えて俺を打ち負かしてみろと▼いかにしてポテンシャルを最大限に引き出すかはアスリートに共通するテーマ。自身で殻を打ち破ることはなかなか難しい。「ふたりならもっと強くなれる」のタイトルのように、自分の背中を押してくれる頼もしい存在が必要なのかもしれない。(19・8・30)

精留塔の最新記事もっと見る