寺社巡りといえば、四国八十八ヶ所霊場が思い浮かぶ人が多いだろうか。西国三十三所なども有名だが、一宮巡りというのがあることを、たぶん遅ればせながら知った。一宮の定義は諸説あるが、「旧国内で最も社格が高いとされる神社」くらいに考えてよさそうだ▼全国には一宮がいくつあるのか。これも、72であるとか104であるとか諸説ある。その104の説に従った一宮をどれだけ訪ねたことがあるか自分の記憶と照らし合わせてみた。相模の鶴岡八幡宮、武蔵の氷川神社、信濃の諏訪大社、出雲の出雲大社、安芸の厳島神社などで、十社にも満たなかった▼先日、これに一つ付け加えることができた。上総の玉前神社(千葉県一宮町)である。最寄り駅は上総一ノ宮。社寺の格が町名と駅名の由来となって、現在もそのままとは奥ゆかしい。近くには九十九里浜があり、業界関係では伊勢化学工業の工場などがある▼その玉前神社、威容と言っていいだろうか、黒漆塗りの権現造り。平成大修理を昨年終えたばかりで、社殿は黒光りしている。まさしく漆黒。名だたるパワースポットだという▼近くの魚屋で姿のままの鱧を売っていた。750円、安い。聞けば骨切り代は別で「同じくらいする」という。それでも安いが、時間がかかると言われあきらめた。(18・9・12)

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