中国政府が全面的に主導し、世界各地から中国への輸入拡大をテーマに掲げた「第1回中国国際輸入博覧会」(CIIE2018、中国商務部・上海市人民政府主催)が5日から上海の国家会展中心で行われている。習近平国家主席は開幕の演説で「向こう15年間で中国の輸入総額は約40兆ドル(サービス含む。約4500兆円)に達する」と言及。世界市場へ向けた貿易拡大とともに「開かれた中国」を印象付けた。輸入博は、2017年5月の「一帯一路国際協力サミットフォーラム」で習主席自らが開催概要を発表。輸入拡大を目指す中国の施策を全世界に示す格好の機会となり、開放型の世界経済発展へ力を注ぐ姿勢を強く印象付けた。
 輸入博開催の直前、10月26日に北京で行われた習主席と安倍首相の首脳会談では「競争から協調へ」と日中関係の新たな時代もうたわれ、第三国の社会インフラ共同開発や環境技術、省エネ協力など多様な両国間合意がなされた。「かつてないほど両国間の雰囲気は良い。政府関係者の往来も完全に復活した」(在上海の日本政府関連機関)なかでの輸入博となった。
 10日まで6日間の会期中に中国全土の省や市政府・開発区、民間企業などバイヤー団、約15万社が大挙して訪れる。10日以降の詳細な集計待ちとなるが、累計で数十万人以上が来場すると見込まれる。
 会場には各国・地域別の産業パビリオンが設けられている。そのなかで強力なアピールによって存在感を示しているのが日本。日本からの出展で唯一の取りまとめ機関となっているジェトロ(日本貿易振興機構)は、テーマ別5分野の展示ブースすべてにジャパンパビリオンを設置。同パビリオンを含め出展した日系企業は総数約440社、展示スペースも2万平方メートル以上(ジェトロ10月末発表)。出展数・スペースとも国別で最大規模となった。6日には連動するイベントとしてジェトロ主催の「匠×イノベーション連携フォーラム」も開催された。日本からは磯崎仁彦経済産業副大臣があいさつに立ち「日中の新たな経済など協力関係の幕開け」と最大級の祝辞と両国間の発展に向けた期待を込めた。
 輸入博には、化学関連企業ではAGC、JSR、花王、ライオン、富士フイルム、三菱マテリアルが、大手商社では住友商事、双日などが参画。日立製作所や三菱重工業などインフラ関連大手も加わっている。日中間には政治面などで課題もある。ただ経済面で中国の成長を取り込むことは各社共通の戦略的課題。輸入博が新たな事業拡大の契機になると期待したい。

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