今国会に政府が提出する法案は58本になりそうだ。当初は68本を予定していたが数を絞り込む。統一地方選、皇室代替わりに伴う一連の行事、参院選、さらにG20サミットなどが控えて日程がタイトなためだ▼提出を見送る10本には、重要法案とされるものも少なくない。公務員の定年延長、土曜配達休止を内容とする郵便法改正などの審議が次の国会に回される。上場企業・非上場大企業に社外取締役設置を義務づける会社法改正案も先送りと伝えられる▼ビジネス、行政、国民生活に影響を及ぼす案件も含まれるが、日程が窮屈なうえに参院選を控えている。厄介事は先送り、混乱の火種は最小化という姿勢。野党の追及で国会審議が紛糾する事態を避けたい政権の思惑が透けて見える▼もっとも、社外取締役に関しては「何を今更」の感もある。東証1部上場企業の99・8%が社外取締役を設置し、2人以上の企業も94%に達する(日本取締役協会2018年調査)。法律がようやく実態に追いつく格好か▼設置会社が50%を超えたのは11年。株主とりわけ機関投資家の圧力が強まり、短期間で劇的に変化した。整った形式を今後どう実質化していくか、役員報酬問題なども含めて制度整備は必要なはずだ。コーポレートガバナンスの旗を振ってきたのは誰だと問いたくなる。(19・2・25) 

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