法制審議会の部会が2月にまとめた会社法改正要綱の中間試案に関する意見募集が、13日で締め切られた。株主提案権の制限など株主総会の手続き合理化や取締役会改革などが柱。時代の流れに沿った制度見直しと評価できる内容だ▼上場企業や機関投資家などの受け止めも概ね肯定的だが、さらに議論を深掘りすべき論点も多い。たとえば株主総会資料の電子提供制度。IT活用で情報開示が効率化され、省資源化や経費節減にもつながるが、義務付けまで必要かどうか▼株主提案権の制限も重要な論点。かつて野村HDでは、一人の株主から「野菜HDに社名変更」など100件もの株主提案を受けた。こうなると経営陣としては権利濫用の制限を求めたくなる。とはいえ制限が行き過ぎると、株主から経営陣との建設的な議論の機会を奪う▼社外取締役の設置義務化はどうだろう。すでに上場企業の96%超が社外取締役を置いている現状からは、「置かない場合はその理由を説明する」という現行規定を変える必要はあるまい▼企業のガバナンスが厳しく問われる昨今だが、社外取の有無がそれを左右することはない。企業が自己改革しながら持続的に成長できるかどうか。結局は経営トップの意識に帰する。形式を揃えるのではなく、選択の幅が広い方が自由で豊かな発想を生むはずだ。(18・4・16)

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