住友化学は２０２４年度、電池部材事業で売上収益１０００億円の突破を狙う。電気自動車（ＥＶ）向けを中心にリチウムイオン２次電池（ＬｉＢ）の世界的な需要拡大が予想されるなか、安定的な供給体制の構築で拡販につなげる。ＬｉＢ用絶縁膜（セパレーター）では研究段階で現状比３～４倍を実現したアラミドの塗工速度を量産技術に落とし込む方針。韓国製造拠点への導入を計画する。また、正極材では焼成プロセスの実証などを通じ、同倍以上の生産性向上を見据える。実証ではコバルトフリーの正極材焼成にも取り組むなど、顧客の要望に応じた部材展開に拍車をかける考えだ。
住友化学が製造するＬｉＢ用セパレーター。アラミドをコーティングすることで耐熱性を高めた
