世の中には、使い切らないと不都合なものがある。前年度を踏襲するタイプの予算、賞味期限のある食材、使用期限のあるポイント類など、最近では有給休暇の消化が話題になっているが、これは多くの会社にとって、話題にすること自体が不都合なのであまり深入りしない▼例えばスポーツにおける力配分もそうで、意気込みすぎると序盤に力を使い切り、残りの時間に戦えない。かといって、自制心が強すぎると力が残ったまま試合が終わってしまう。そうした葛藤を胸に、試合前の緊張する時間を過ごした頃が懐かしい▼予選で1位突破の可能性も見えてきたサッカーW杯日本代表。過去の記憶から、世界と日本のサッカーの力関係を勝手に決め込んでいただけに、ここまでの2試合は驚きの連続だった。とくに、強豪国に対し2度の劣勢を追いついた2試合目は、過去にはあり得なかったといえる展開で“男子、三日会わざれば刮目して見よ”と戒められた気分だ▼とはいえ、人は疑り深いもの。未だ自国の実力について半信半疑なのも確かである。失礼ながら決勝ラウンドで勝ち進む日本代表の姿を想像するまでには至らない。まずは、予選突破がかかる木曜日の3試合目に真価が問われるのだが、決勝ラウンドを見据えて、どのようにチーム全体の力を使い切るのか注目だ。(18・6・26)

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