安全保障に関わる事案だから個別案件を具体的に開示するわけにはいかない。説明する側ももどかしかろうが「不適切事案があった」だけでは聞く方にも苛々が募る。韓国向け輸出管理を巡る問題。連日メディアを賑わすが、先行きの展望は見えてこない▼今月1日に発表された当初は、多くのメディアが「規制強化」と表現した。しかし政府は「運用の見直し」が適切な表現だと強調する。これまで認めてきた優遇措置の対象から外すのは輸出管理の厳格化であり、規制強化ではないという理屈だ▼徴用工問題への対抗措置、報復という見方も真っ向から否定する。その一方、安倍首相や閣僚からは「(韓国は)国と国との約束が守れない」「信頼関係が著しく損なわれた」といった強硬発言が相次ぐ。不適切事案だけが理由ではないということだ▼TV各局は報道番組のみならずワイドショーでも取り上げる。フッ化水素やホワイト国といった用語がお茶の間にも飛び交う。日韓関係がぎくしゃくしている折、視聴率を稼げる話題ということだろう▼政府は韓国側の出方待ちというスタンスだが、先方も相当に頑なだから噛み合わない。貿易摩擦~貿易戦争となると、両国経済にプラスはなくアジア経済の下振れリスクを高める。水面下では、双方が落としどころを探っていると思いたいがさて…。(19・7・22)

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