わが国は天然資源に恵まれないことから、発電に必要なエネルギー源は海外から輸入した石油・石炭・天然ガス(LNG)などの化石燃料に大きく依存している。資源エネルギー庁によると2015年の日本のエネルギー自給率は7・4%であり、他のOECD諸国と比較しても低い水準となっている。東日本大震災前の化石燃料の海外依存度は81%(一次エネルギー供給ベース)だったが、原子力発電所の稼働停止にともなう火力発電所の焚き増しによって依存度はさらに高まり、直近の年度の依存度は89%となった。
 他方、日本は地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」締結を受け、自国の温室効果ガス排出削減目標を30年度に13年度比26%減と決めた。その実現には全体で3・1億㌧のCO2排出削減が求められる。
 エネルギー源の多様化に関しては、原発の再稼働を含め、さまざまな意見や考え方があり、今後も引き続き議論が必要となろう。そのなか太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスといった再生可能エネルギーは低炭素エネルギー源であり、CO2排出削減に寄与すると同時に、エネルギー自給率の向上につながることも事実である。
 近年、日本の建設各社も環境に対する取り組みに力を注いでいる。建設経済研究所が先ごろ公表した「建設経済レポート」によると、建設各社は、施工段階を中心に低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現に向けた、さまざまな取り組みを行っている。
 例を挙げると、大林組は年に再エネ事業の子会社「大林クリーンエナジー」を設立し、太陽光発電を国内カ所で展開している。今後は風力発電に照準を合わせる。鹿島建設は発電設備の施工を中心としており、風力発電など多数実績がある。五洋建設は各種発電施設の施工部分で関与している。清水建設は新エネルギーを成長分野の核と捉え今後、太陽光・風力発電について事業主としての展開を視野に入れる。
 また大成建設は、震災で被災した水田跡地の軟弱地盤に太陽光発電架台の基礎を簡便に短時間で構築する工法を確立したほか、バイオマス発電で希釈水を用いない無加水メタン発酵システムを独自開発した。戸田建設は浮体式洋上風力発電の事業化に取り組んでいる。一方、前田建設は、再エネ分野で企画・開発から施工・運営まで全体のマネジメントを目指している。
 再エネ設備の需要が引き続き拡大することは確実。建設各社は、経験と幅広いネットワークが生かし、ビジネスチャンスをものにしてほしい。

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