東京医科歯科大学の藤原武男教授の研究グループは、新型コロナウイルス感染症の「スーパースプレッダー」となる可能性の高い因子を明らかにした。同大病院に入院した同感染症患者379人を対象に病歴やアレルギーなどを調査・解析したところ、糖尿病、関節リウマチ、脳梗塞の既往がスーパースプレッダーのリスクとなることを見いだした。

 スーパースプレッダーとは周囲への感染力と死亡率の高い患者を指す。多くの人に感染させてしまうことから、早い段階から割り出し、隔離・治療することが欠かせないが、何が決定要因となるかは分かっていなかった。

 今回、研究グループは、2020年3月から21年6月までに中等症から重症で入院し、「RT-PCR検査」という手法で検査した患者379人の情報を電子カルテに基づき解析した。既往歴のほか年齢や性別、喫煙歴も加味し分析。その結果、とくに糖尿病、関節リウマチ、脳梗塞の患者ではウイルスをコピーする能力が高まっていることを突き止めた。

 また血液の状態も調べると、血小板と、炎症などが生じると増加するたんぱく質「CRP」が低い患者も高いウイルスコピー能力を持つことも判明した。併せて、9割以上の患者で初回または2回目の検査でウイルスコピー能力が最大に達していることも分かった。

 感染を拡大するスーパースプレッダーを既往歴や入院時の血液検査から割り出せるようになれば、院内感染の防止に向けた取り組みがしやすくなる。成果の詳細は国際科学誌「ジャーナル・オブ・インフェクション」電子版に掲載された。

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