バイオ医薬品など先端領域における医薬品製造装置で、海外製品が日本市場で攻勢を強めている。動物培養細胞などバイオ医薬品関連や、iPS細胞(人工多能性幹細胞)など今後の成長分野で、高いシェアを獲得しているものだ。足元で国内メーカーの影は薄い。今後、市場拡大が予測される分野だけに各社の奮起を望みたい。
 国内の医薬品プラント市場ではプラントエンジニアリング、総合重機、産業機械などの各社が独自技術で顧客ニーズに応えている。このうち医薬品製造装置を展開する産業機械メーカーは、動物細胞培養や再生医療用のiPS細胞向け撹拌システムなどの成長に期待する。製薬会社、ファインケミカル企業を中心に積極的な設備投資が予測され、新規市場としてのポテンシャルは高い。
 しかし足元の国内市場をみると、例えばバイオ医薬品の製造装置である撹拌システムなどはGE、ポール、ザルトリウス、サーモフィッシャーなど圧倒的に欧米系が強く、国産メーカーのシェアは極めて低い。理由はさまざまだが、バイオ医薬品の培養装置などで参入障壁が高いことがある。高度な技術と長期にわたる研究開発に耐えられる企業であることも必要だ。
 また新薬開発を米国の製薬企業がリードしていることも、欧米勢の技術力が高い要因となっているのかもしれない。
 現在、製薬、中間体受託、ファインいずれの企業も輸入装置に依存する傾向が強い。ただ物流上の問題、在庫管理、品種の制限から初期投資、ランニング費用の高さが大きな課題だ。
 佐竹化学機械工業は昨年、新組織「バイオ事業チーム」を立ち上げた。先端領域である動物細胞培養や再生医療用のiPS細胞向け撹拌システムの本格展開を狙う。特徴は純国産装置の強みを活用し、装置単体の販売にとどまらず、プラントエンジニアリングを含めた総合的な技術サービスができること。海外メーカーでは難しい、きめ細かい対応で顧客を支援する
 中村超硬は、製薬向け最適反応条件自動検索型マイクロリアクターの新機種「X―1α」の市場展開を開始した。マイクロリアクターは年ほど前、装置各社が開発が進めたものの、リアクターが閉塞するトラブルが発生し、国内で普及が進まなかった。半面、海外ではマイクロリアクターの採用が進む。海外の動きに敏感な日系企業も再び採用の動きを示す。
 バイオ医薬品の製造装置は今後、ますます市場が拡大するだろう。日系装置各社は国産の強みで独自の技術・提案力で存在感を見せてほしい。

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